The J. Paul Getty Museum

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昨晩の話の流れで、NanさんとGettyを回ることになりました。前回訪れたときはキャパや有名なベトナム戦争の女の子が逃げてくる写真などが印象的だった ’Picture for the Press’展、見逃していた1960年代のMartin Luther King Jr.や Malclm Xの写真とともに、初めて公立小学校へ通った黒人女子がガードマンと登校している写真が身につまされます。身の安全のためにガードマン二人と登校したその女の子は、一年間同じクラスの生徒から授業のボイコットを受けたといいます。それがたった40年前のことだったのだ、と今更ながらこの国の来し方と自分の浅はかさを思います。長崎のきのこ雲や戦後の原爆実験についての写真にはもっと注目があってよいはずなのに、という気持ちは変わらぬまま。
現実を切り取り、さらす、恐ろしい写真に衝撃を受けた二人、「すごいものを見ちゃったよね」というそれぞれの意識を、ポイントはずれてるかもしれないけど共有し、殆ど言葉もなく売店の傍らで写真集だのポストカードだのを買いもしないのに、うだうだと動けずにいたのでした。
Weegeeという報道写真家の特別展も、今住んでいるL.A.と大好きな町N.Y.を拠点にしていたことから、より一層の親近感が沸きます。昼間は寝て、夜の街に出没し、そこに生きる人の顔を、あるいは死を切り取ったこと、ハーレムの教会もメトロポリタンのオペラにもシャッターを切った彼には何が見えたのでしょうか。
ランチの後は、西館の二階に戻り印象派のエリア。少し前にアムステルダムに旅していた彼女とゴッホのアイリスの前でまたうだうだして、ティツィアーノの特別展にたどり着いたところで、時間切れ。今日も刺激的なGettyでした。