[ほん] 家郷の訓

家郷の訓 (岩波文庫 青 164-2)

家郷の訓 (岩波文庫 青 164-2)

1907(明治40)年生まれの民俗学者が、第二次大戦中に書き上げた故郷に関する一冊です。瀬戸内海に浮かぶ大島が舞台で、そこでの家族のありよう、島の中の付き合いなどを読んでいると、飽食にふけり謙虚さを失った自分が恥ずかしくなるほど、貧しい中にも爽やかな身の処し方が印象的でした。程度の差はあれ古くは、日本人、特に農耕に携わる人はこういう生活をしていたのでしょうね。筆者は私の両祖父よりも少し年長であり、何となく祖父の書いたものを読むような気分でページを繰ったことでした。
追記:歴史家の奈良本辰也さんは大島出身だそうです。