美の伝統 三井家伝世の名宝

Mitsui

お義母さまと一緒に、日本橋に開館した三井記念美術館に行ってきました。
国宝の国焼茶碗二つのうちの一つである志野の卯花墻は、昨年の「美濃焼きを訪ねてツアー」で一度は見たらよい、と薦められていた一碗で、かなり大ぶりのざんぐりした質感が武士の時代を感じさせます。光悦作の雨雲という黒楽は飲み口の鋭角な削りが魅力。一度口をつけてみたい欲望にかられます。大名物の唐物肩衝茶入(別名:北野肩衝)も立派です。織田有楽斎が建てた如庵の写しも興味深かったし、丸山応挙筆の雪松図屏風。藤原定家筆の熊野御幸記など国宝・重文クラスがごろごろ。古筆手鑑「筆林」では、聖武天皇源頼朝など、有名な人々の手を拝見できます。源義経のはお世辞にも何とも言えず、反対に足利尊氏のものは大変優美でした。
いろいろ行きたい展覧会の中から選んだ理由は、開館記念には素晴らしいものが出るはずだ、ということ。予想に違わず本当に価値のある展覧会でした。出口からエレベーターに向かう間に、高さ二メートルほどのピカピカ光った鉄の扉は、金庫の入り口でした。何から何まで流石、三井300年の歴史。 
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition_01.html