未来をつくった人々--ゼロックス・パロアルト研究所とコンピュータエイジの黎明
未来をつくった人々―ゼロックス・パロアルト研究所とコンピュータエイジの黎明
- 作者: マイケルヒルツィック,Michael Hiltzik,鴨澤眞夫,エ・ビスコム・テック・ラボ
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2001/09
- メディア: 単行本
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日々お世話になっているコンピュータの成立に関わる、主にゼロックス・パロアルト研究所(PARC)での動向や人間模様がぎっしりと、アメリカ人らしいユーモアを織り交ぜて描写されています。パーソナルコンピュータの概念を提唱したアラン・ケイの若かりし頃の姿に感銘を受け、人柄に接したことがあるテッドやダンの功績に改めて驚きます。アランが野人と呼ばれていたことには大笑い。それにしても頭のいい人が世の中いっぱいいるのですね。
PARCで膨れ上がった好奇心・技術を商品として世に送り出したのはゼロックスでなかった皮肉、それを受け継いだアップルとマイクロソフト、アドビシステムズなど諸々の会社。大きな官僚的組織が時代の波に乗れなかったことは、残すべきものと変革の関係も含み興味深いです。ごった煮の部分もありますが、示唆に富む一冊です。
なお、私の知るアランはいつもHappyオーラを出すマイペースな永遠の少年で、家ではいつもジャージ(冬はふかふかの室内履き愛用)です。料理上手な一面も。テッドはいつも親切な三つ子のパパ、の顔しか知らなかったので、功績を知ってからクリスマスボウリングパーティで会ったときは、ちょっと有名人に会う気分でドキドキしました。夏の結婚式に出席したダンは、アランも一目置く、とは聞いていたものの、その切れるところをとても穏やかな雰囲気で包んでいる人、といった印象。みんな笑顔がとても素敵なナイスガイです。