サロメの乳母の話

サロメの乳母の話 (新潮文庫)

サロメの乳母の話 (新潮文庫)

オデュッセウスの妻、サロメの乳母、ダンテの妻、聖フランチェスコの母、ユダの母、ブルータスの師、キリストの弟など歴史的著名人に近しい人たちから語られる、新たな側面。塩野七生にかかると、どれもこれも本当かと思うほどの真実味でもって迫ってくるから不思議です。最後の「饗宴・地獄編」の二編は、独自の女傑観が非常に面白い。クレオパトラ、トロイのヘレン、マリー・アントワネットに新入りとして江青を持ってきて、日本の女傑をあれこれ批評するのです。最後のオチに思わずにやり。