民族の世界地図
- 作者: 21世紀研究会
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/05/19
- メディア: 新書
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ロサンゼルスで平凡な主婦生活を送る中でも、中東や旧ソ連の人々と出会います。ESLのクラスでは、アルメニアの老人とアゼルバイジャン生まれの若いロシア女性が激しく議論し、イラン生れのアルメニア人があきれて同意を求めてきたこともありました。一体この人たちはどのような紆余曲折を経てここにいるのか、という疑問と、最近、美術館などで触れる夫の好きな古代地中海の遺物の背景を知ることができたらと思い、この本を手に取りました。
そういえば、以前に触れた「アルメニア大虐殺」に関する記述もありました。トルコ人によるアルメニア一掃計画(民族浄化)の結果、少なくとも100万人の死者と50万人の移住者を出したといわれているそうです。そもそも、ノアの箱舟の逸話で有名なアララト山を含む国土に18世紀末にロシアが進出、領土化し、それを後ろ盾に在トルコ領のアルメニア人が圧政からの開放を目指して立ち上がったものの返り討ちにあった、ということが10行程度触れられていました。