East Village散策

strandbookstore

Union Sq.で降りて、East Villageを歩き回りました。まずは、先日I夫妻に連れてもらった来年80周年を迎えるStrand Bookstore。雨のせいか、かび臭さと紙の匂いが充満する店内で見つけたベスト20の告知で、フィクション部門で村上春樹の『海辺のカフカ』がベスト16に入っていました。
次は先日読んだ猿谷さんのご本に書かれていたCooper Union Instituteへ。地下には、1860年Abraham Lincolnが有名なRight Makes Might SpeechをしたというGreat Hallがあります。

ニューヨークの人びとが大きく北軍に傾くきっかけになった、というこのスピーチの肝の部分を、猿谷さんの『ニューヨーク』から引用します。
『「私たちに対する間違った非難を聞いても、そのために私たちの義務を捨て去ることのないようにしようではありませんか。そして国家を崩壊させるとか、私たちを投獄するという脅しを恐れず、義務を果たそうではありませんか。<正義は力である>という信念を持ち、この信念のもとに、私たちの義務と信じることを勇敢に果たそうではありませんか」
演説が終ると人びとはいっせいに立ち上がり、しばらく拍手が鳴りやまなかったという』(<>は私がつけました)。
歴史の一ページを飾ったというホールは今でも現役で、使用しない時は消灯されており、フラッシュをたいても上の程度の写真しか撮れませんでしたので、掲示物の当時の様子を描いた絵を借ります。1856年の奴隷売買の入札表のようなものも展示されており、あまりの生々しさに一瞬引きます。この建物の受付も従業員の人も黒人種が多いのです。おまけは、帰り道に前を通ったハーレムのApollo Theaterの写真。1914年から続く劇場は、Billy Holiday, Stevie Wonder, Michael Jackson, Bobby Brownたちを世に出しました。最近改装されて、綺麗になったのだとか。