伽羅の香
- 作者: 宮尾登美子
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1996/07/18
- メディア: 文庫
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ちょうど、『香と香道』というご本も平行して読んでいるところでしたので、香道に関する部分はそれぞれが内容を補い合ってくれて好都合でした。名香蘭奢待とまではいかなくとも、いつか平安時代からの長い歴史を持ち、公家文化の流れを汲む優雅な香道を体験をしてみたいものです。
物語のほうはというと、主人公があまりにも出自にとらわれ、地に足が着いていないようにも思えて、あまり共感できずじまい。私の若さゆえでしょうか。家族に恵まれなかった女性の寂しさだけはひしひしと感じました。あとがきを読んで結末へ至った顛末を知ったわけですが、さもありなんといったところでした。