台東区立朝倉彫塑館

朝倉彫塑館

日暮里駅から徒歩5分ほどの朝倉彫塑館に、義母が連れてくださいました。明治16年生まれの彫刻家朝倉文夫が建てたアトリエと住居は、日本人の美意識で埋め尽くされているようでした。
一歩アトリエに足を踏み入れると代表作をはじめとする彫刻が立ち並び、そこを通り抜けると湧き水を生かした中庭。その周りを建物が取り囲む形式は、修善寺の新井旅館を思い起こさせます。仁・義・礼・智・信を表す石のうち、真鶴から取ってきたすべらかな仁、対照的に伊豆の山から取ってきたごつごつとした義が特に印象的でした。書斎に溢れんばかりの和洋中の資料から分かるように、いろいろなことに造詣が深い方だったのでしょう。ご自分で削った茶杓、愛用の釣り道具など様々なものが飾られ、茶室も設えてありました。
写真撮影は禁止でしたので、配布のリーフレットから中庭の様子を拝借しました。普請のしっかりしていること、あちこちに見られる細かな心遣いなどは実際に訪れてこそ体感できるものでしょう。