飛行士たちの話

スタジオジブリの大好きな作品の一つが『紅の豚』。その中に、戦いに敗れて死んだ飛行機乗りたちが、一筋の雲となって天上に上っていくちょっと幻想的な場面があり、それに似た描写がこの短編集に含まれている、と夫が薦めてくれました。ちょっとエキゾチックなショートショート風の短編たちは、著者ロアルド・ダールが実際に飛行機乗りだった経験からか、迫るものがあり、うまく落ちがついている『アフリカの物語』、『番犬に注意』は何度も楽しめます。そうそう、『彼らは年をとらない』の飛行士たちは地上に輝く楽園へ次々と突入していくわけですが、『紅の豚』の製作スタッフがこの作品を参考にしたかどうか、気になるところです。