生物と無生物のあいだ

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

どうして人間は、海岸で見つけた貝殻と硝子片を見て、一方を生物、もう一方をそうでないもの、と瞬時に見分けることが出来るのでしょうか。「内部の内部は外部である」という細胞内タンパク質の交通に関する章をはじめ、とてつもなく難解なことを随分噛み砕き、私のような者にもなんとなく理解したように思わせるほど、説明が上手。またノーベル賞級の研究をする人々の光景や、ニューヨーク、ボストン、カリフォルニア、そして京都など縁ある土地が出てくるのも、楽しいものでした。おかげさまで、Tさんの研究しているタンパク質の折りたたみは、アミノ酸のことなんだー、とも分かり、ちょっぴり親近感。