宮城日帰り

松島への道

東日本大震災後、初めての一時帰国だったので、できれば被災地を訪ねてみたいとは思っていたものの、スケジュールが立て込んでいて、LAへ発つ前日に日帰りということになったのでした。急に決めたので何も準備ができず、観光の範囲にとどまりましたが、現地に立てただけでも良かったです。子たちの面倒を見ていてくれた義母と姪っ子ちゃんにお礼を申し上げます。
まずは東北新幹線で仙台まで行き、レンタカーを借りてまずは松島へ向かいます。桶の散らし寿司と生牡蠣を美味しくいただいたおすし屋さんで会計するとき、横に震災時の写真が飾ってあり、言葉を失います。

日本三景の一つといわれる松島は、湾内に緑の島が点在するのが美しい。

1604年に伊達政宗によって建てられた五大堂。

伊達公が京都から移築した建物もあり、目を疑うほどの観光客で溢れていましたが、雄島への橋は津波で流失したままのため、その辺りは閑散としていました。説明によるとなかなか興味深いもので、次回訪ねるときまでの復旧を願っています。

次はあべさんから強く勧められた石巻へ。震災被害にあった石ノ森萬画館がこの17日に再開館したということで、訪ねました。


駅前近くの駐車場からてくてく歩いていると、お馴染みのキャラクターがあちこちに立っています。幼少時大好きだったゴレンジャーも仮面ライダーも、キカイダーも、そしてロボコンまで、石ノ森章太郎だったのか〜、と目からうろこがぽろぽろでした。



館内では仮面ライダーと記念撮影できます。

職員のお姉さんたちは全員003フランソワーズのコスプレで、思わずこちらも記念撮影してもらいました。そんな夢溢れる萬画館ですが河口近くの中洲に建っているため、津波が二階まで押し寄せる大きな被害を蒙り、特別展ではその時の萬画館の様子をはじめ、石巻の様子がありありと再現されていました。BGMは「皆さん、落ち着いて避難してください」という当時のラジオの呼びかけが繰り返され、石巻日日新聞の壁新聞の実物大コピーが貼られていて、息が詰まる思いでした。
川向かいの復興マルシェで買い物をして、一路東京へ向かったわけですが、少し歩いた商店街辺りも空き地があちこちにあっても、どういう状況なのかまったく分からなかったのが、残念無念なことでした。と思っていたら、LAに帰ってきてから、偶然にも友人が同時期に石巻で民家の廃材撤去のお手伝いをされたことを聞きました。まだまだボランティアの手が必要な場所があるということを知っていたら、今回の宮城訪問ももう少し有意義なものになっていたかもしれません。少し悔やむ思いがあるため、こんな能天気な観光記を載せるのは気がひけたので、なかなか文章もまとまらなかったのが更新の滞った一因ですが、同じ日本人として心を寄せたかった行動の記録として残しておこうと思います。