男の肖像

男の肖像 (文春文庫)

男の肖像 (文春文庫)

相変わらず気品のある色っぽさ。それに加えて、彼女ならではの視点でずばずばと切り込まれると、言葉もありません。特に面白かったのは、日本の政教分離は、織田信長比叡山焼き討ち、一向宗との対決における、例外を許さないあまりにも惨い仕打ちの結果が免疫になったものである、といったくだりでしょうか。千利休と秀吉との確執も、こんな風に解釈できるのかしら、と驚きです。その他、世界史が好きになりそうな男性が目白押し。