初釜

異国で初めての初釜は炭抜きの正午の茶事形式でした。先生のお心づくしが素晴らしく、目を見張るようなお道具の数々、お菓子、お茶、お懐石にお酒、と眼福口福でございました。
社中中心で二席のうち、一席目は詰(末客)を担当。寄付を拝見して、お白湯の後、主菓子をいただきます。薄い桃色の金団の美しさ、漉餡の甘さの加減がちょうどで、手作りでここまでなさることに感激でした。ご銘は「春のほころび」。お待合を経て席入し、真台子より小ぶりの及台子にてまずはお濃茶、上林詰坐忘斎お好み緑毛の昔をいただきました。続いて薄茶用の菓子は末富のふのやきと鶴屋吉信の柚餅、どちらも懐かしい京都のものです。美しい干菓子盆は、konちゃんのお義父上のお作で、お会いしたことはないものの何となく特別な思いで触らせていただいたことでした。薄茶は同じく上林の龍の影。席を移して懐石をいただき、千鳥は上善如水のぬる燗で少しいい気分。
続いての二席目、こちらはお白湯の後に懐石、と順番が変わるのを忘れていたので、ばたばたのスタートになりましたが、及ばずながら半東をさせていただきました(亭主を東、補佐役を半東といいます)。よく考えるとお茶事の半東役は初めて、詰も二回目の経験で本当に勉強させていただいた一日でした。