千利休とその妻たち 上・下

千利休とその妻たち(上) (新潮文庫)

千利休とその妻たち(上) (新潮文庫)

千利休とその妻たち(下) (新潮文庫)

千利休とその妻たち(下) (新潮文庫)

20台後半から切腹までの約40年の利休居士の物語、非常に面白く読みました。信長、秀吉との政治的な関わりを背景に、茶人として精進された姿や、ご考案という黒楽茶碗、桂籠、大津袋などのお道具が登場する部分も興味深かったです。著者が敬虔なクリスチャンである関係か、次の点が真実なのか創作なのか、まさか、と思いながらも、とても気になります。居士の後妻であり、「草庵の茶」完成になくてはならなかった存在でもある千宗恩がキリシタンであったこと。点前の一部はキリスト教の儀式「聖餐式」の作法を摸していること;お茶碗をゆすぐこと、茶巾で茶碗を拭く方法、回し飲み、にじり口など。さらに、悟りの境地に一歩進むきっかけが「こんてむつすむん地(キリストのまねび)」であった、ともあります。十冊ほどある参考文献を洗ったらはっきりするのかもしれませんけれども、ご存知の方、是非ご教授くださいませ。