LOHAS考

LOHAS

アメリカは広いと思ったのは、2004年12月にロサンゼルスから北カリフォルニアまでロングドライブをしたときでした。カリフォルニア州は日本の国土とほぼ同等の面積を持ち、そこを縦断する形で京都〜下田くらいの距離をドライブしたのです。カリフォルニアの中央部分は、横長の景色が延々と続き、こんなに空いてる土地があったらごみは捨て放題、京都議定書って何?って感じかしら、と思ったことでした。
昨夏、ロサンゼルス近郊に居を移し、びっくりしたのはごみの分別がないことでした。通りによっては分別用のコンテナが並んでいますが、私が住むアパートメントは無分別ですので、ビンも缶も生ごみも使わなくなった椅子も一つのコンテナに放り込んで、ごみ出ししています。
ロサンゼルスに本格的に住む前に旅したドイツで、五つの分別コンテナが通りに据えられていたことを思うと、所変われば何とやら、とは全くこのことだわ、と感慨しきり。かの地で面倒を見てくれた方はカリフォルニアに10年ほど住んでいたせいか、ちょっとげんなり気味でしたが、マーケットに行くときは必ず自前の袋を持っていました。ドイツで買い物するときはこれが基本。プラスティックバックは有料です。
昨秋、一時帰国した折、恵比寿のムービングウォークはLOHASという文字でいっぱいでした。三越のキャンペーンの広告らしく、一体全体これは何だろう、と思っていると、新聞でアメリコロラド州ボルダーからやってきたという”Lifestyles of Health and Sustainability” という考え方が紹介されており、少し調べると、Sustainable Economy, Healthy Lifestyles, Ecological Lifestyles, Alternative Healthcare and Personal Developmentという五本の柱がある由。
ただ、どうしてもLOHASが一体何なのか、日本で既にみんなしていることなのではないのかしら、と思ったりして、よく分からないのです。何となく継続できる範囲で、かつカッコよく、地球に優しいことをしよう、ということなのでしょうか。アメリカで、私はアンテナの低さゆえかLOHASという言葉を聞いたことがありません。
自分で出来る範囲として、買い物袋は出来るだけ自前を使う、シャンプーなどはAVEDAに移行する、という二点を心がけています。アメリカのマーケットでは買った商品を係の人が詰めてくれるのですが、日本では考えられないほどのプラスティックバッグを使うのです。貧乏性の私がいくらゴミ袋代わりに使っても溜まる一方。というわけで、夫がジブリ美術館でお土産にいただいたという、私のお気に入り映画『紅の豚』の海賊かばんを愛用。Whole Foodsでは50セントのキャッシュバックもあるので、特に忘れないようにしています。AVEDAは、天然成分重視の商品を作り、環境保全に熱心な会社であることと、カウアイ島のプリンシヴィルリゾートにも置いていたから、というミーハー精神から使っています。
LOHASについて勉強不足な私の感覚では、日本の方が環境に対するいろいろな取り組みはアメリカよりも先んじているし、「もったいない」という言葉からも表されるように、自然との共存の精神も持っているように思います。もっと自信を持っていろいろと先導していけるのではないかしら、とも思います。マーケットでの発泡スチロールの回収など、こちらでは見たことありませんもの。というこの視点がもしかしてずれている??ふと浮かんできたのですが、LOHASとはマーケティングの言葉なのでしょうかしら。
以上、akeさまのロハス連載に匿名登場させていただく栄に浴し、LOHASについても書いてください、と何かのときにおっしゃっていたことに対する、現時点での私見です。30数年日本で暮らし、昨夏からアメリカで暮らし始めた者の考え、ご参考になりますかどうか。
追記:拙文の一部が下記に引用されました。http://www.kyoto-np.co.jp/fukushi/column/dan/dan060530.html