アメリカ人民の歴史

id:tokyokidさまお薦めの一冊。題名(原題は、”We, the people”)が示すとおり、所謂偉人たちは脇役で、人民の立場からアメリカの歴史が語られています。特に前半部分のダイナミックに国が作られていく描写が興味深いものでした。北部と南部の土地柄からくる社会の成り立ちの違い、開拓者たちの苦難、アメリカ合衆国として独立するに至るまでのすったもんだなど。大恐慌から第二次世界大戦を含む後半部分は、ルーズヴェルト大統領のニューディール政策と資本主義社会における労使関係、戦争を軸とする世界情勢、その中でのアメリカの立場の変化などが中心。お腹の赤ちゃんがこの国の国籍も持つというのは不思議なことだなあ、と思いつつ、生まれる前に何とか読みきれてよかった。のんびり屋さんに感謝、ということにしておきます。本筋には関係ないのですが、今回読んだのは、アメリカでの1947年版を1954年に岩波新書が和訳したものの21刷(1969年に出版)で、旧仮名づかいが新鮮でした。