透木釜で初炭

とても久しぶりのような気がする透木釜。透木(すきぎ)といわれる拍子木状の木片を炉壇に置いてそこに羽根のある釜をかける、その釜を透木釜といいます。釣釜と同じく五徳は使いません。暖かい4月中旬から下旬にかけて、お客様に釜の羽根で炉中の暑苦しい火を見せない、という心遣いもあると聞きます。透木釜で名高いのは平蜘蛛釜。前出の小説で、その世界では現存するように読めた部分があり、混乱し調べましたら、織田信長からの所望をよしとせず、松永久秀がこの名物を打ち割って今はもうない、という話ですね。もうすぐ五月、風炉の時期が間近です。