Norton Simon Museum

Rodin

パサデナの一角にあるノートン・サイモン・ミュージアムは、14世紀から現代美術、南アジア美術に特化した美術館です。
駐車場から歩きながら『カレーの市民たち』を筆頭に迫力あるロダンの数点が出迎えてくれ、入場後左を向くと、ガラスケースなしにドガの彫刻ががんがん並んでいます。その奥にはもちろん絵画もあり、これほどの造型をした彼は人間の肉体をどの方向からでも即座に思うがままに描くことができたであろう、と思わされます。

ゴッホ、モネ、セザンヌルノワールが立ち並ぶ19世紀の部屋、モディリアーニピカソマチスジャコメッティイサム・ノグチらの20世紀の部屋、それぞれが本当に素晴らしいコレクション。特にマネの”Ragpicker” は、素材といい画中の人物の様子といい、興味深く観ました。
南アジア美術のフロアには主にインドの彫刻が多く、ヴィシュナ神の化身の猪が大地を表す女性を口に咥えている姿が印象的。数々の彫刻の向こうの庭に緑に囲まれタイの仏像がひっそりと光を浴びて端坐している様も美しく感じられました。庭園には池の周りにヘンリー・ムーアなどの彫刻を配し、のびのびと散歩できて気持ちよいです。

作家への人間的なアプローチを感じるコメントのつけ方含め、監修したキュレーターに何となく共感を覚えます。体力切れで退散したため見逃した14世紀から18世紀エリアも是非今度じっくり拝見したいもの。カナダドライ、マックスファクター、アヴィスレンタカーなどを所有したバークリーの卒業生の、もともとの蒐集が素晴らしかった故でしょうね。