ニューヨーク

アメリカと時には日本の歴史を絡めて、ニューヨークのあれこれを分かりやすく紹介してあります。紀元前25,000年〜12,000年ころに今インディアンと呼ばれる種族がアジアからアメリカ大陸に渡ってきたこと、江戸時代の幕開けから少し遅れてオランダ人が本格的にマンハッタンに上陸を果たし、それから40年経たないうちにイギリス人の手に渡ったこと、その後半年だけオランダの手に戻りながら、アメリカ合衆国独立戦争南北戦争を経て、都市としての優位性を獲得し、アメリカの第一の都市、ひいては世界一級の都市になっていく様子など、見事に腑分けしてあります。
ブルックスブラザーズは1818年にマンハッタンで創業し、セントラルパークは「都市の肺」として19世紀中ごろに作られ、リンカーンが演説したホールが今も残り、移民受入窓口として名高いエリス島は、第二次世界大戦中に日系人強制収容所だったことなど、NY大好き人間の著者が足を使って調べた情報がぎっしり。先日のゴスペル鑑賞で少し疑問を抱いた、信仰を持つに至った経緯についても、参考となる一文がありました。1810年に、ニューヨーク州が奴隷の子どもにバイブルを教えることを義務付けたのだそうです。
この本を片手にNY散策をした方が、下手なガイドブックを買うより何倍もNYを知れること請け合いです。