Walt Disney Concert Hallにて

母の招待で二回、Los Angeles Philharmonicのコンサートに連れて行ってもらいました。一回目は五嶋みどりさんことMidoriとハンガリーの作曲家による現代音楽、二回目は一回目に比べるとクラシックな演目で、久しぶりのライブを楽しみました。曲目は次のとおりです。

19日
Pablo Heras-Casado, conductor
Midori, violin
KODALY: Hary Janos Suite
EOTVOS: DoReMi (world premiere)
BARTOK: Concerto for Orchestra

25日
Ludovic Morlot, conductor
Emanuel Ax, Piano
DUTILLEUX: The Shadows of Time
MOZART: Piano Concerto No.25 in C major, K. 503
BEETHOVEN: Symphony No. 5 in C minor, Op. 67

19日は子供たちを預けて大人三人で行きました。前半、コーダイの曲は映画音楽のようでとても楽しく、Midoriのために作曲されたというエトボーシュは、世界初演奏に接することできたのは光栄でしたが、あまりにも実験的で驚きました(母によると本当はもっとすごいらしいですが)。これからヨーロッパで披露されるということです。休憩時間中にMidoriさんの挨拶があるというので、ロビーへ行き、母がサインをいただきました。地元USCでバイオリン科の主任教授をしておられます。私と同い年ですよ。社会活動も行っておられて素晴らしいです。

数少ない私の経験からすると、演者がこういうことをするのは稀だと思うのですが、十年前の琵琶湖ホール、これも母に連れて行ってもらったときも、コンサートの後に質疑応答の時間を取っていたと記憶しています。前回も感じたことですが、幼少の頃からアメリカ生活を送っておられるので、英語の方がお得意のようです。

そして、あろうことか、二部に間に合わず、リスニングルームで聴く羽目になった私たちです。ライブの音が入ってくるけれど、映像は画面越し、という状況はなかなか興味深いものでした。
25日はけーにエクストラでプリスクールに行ってもらって、母と二人でした。やはり、目からも音楽を聴いているのだなあ〜、と実感。特に「運命」と言えば日本人が反射的に「ジャジャジャジャーン」とくる五番は、初めて生で聴いて、とても嬉しかったです。あまりにも有名な交響曲ですが、通してしっかり聴いたことがなかったことを思い知らされました。
このホールは、LAダウンタウンでは異彩を放つ、いかにもフランク・ゲーリーらしい外観なのですが、音響は豊田泰久さんという日本人が担当しているのですね。コンパクトながら舞台の周囲が全て客席で収容人数は2265人と結構な数字です。パイプオルガンのデザインも個性的ですから、いつかパイプオルガンのコンサートに来られたら面白いだろうなあ、と思います。こんなことを考える時間ができたのも母のおかげです。ありがとうございました!
アート繋がりで付け加えると、只今LACMAの日本館で素晴らしい応挙が見られます。私の知る限り二点。栖鳳さんや確か平福百穂さん他、西海岸でもこれほどの日本美術をゆっくり鑑賞できるのか!と感激すること請け合いです。最後の琳派と言われる雪花さんも、一点ならず所蔵しているんですよ。岡倉天心肝いりのボストン美術館を凌ぐとまでは行かなくとも、LA在住の方は是非お運びくださいませ。また、常設展示になるのではないかと個人的に予想するMetropolis2という展示も楽しいですよ。