今季最後の初炭と和菓子づくり

お軸は「春水満四澤(しゅんすい、したくにみつ)」。この五文字だけで雪解などで豊かに流れる水が思い浮かび、もうすぐ暖かい春が来るのだ、と空想が広がります。たとえ屋外は十分に暖かいロサンゼルスでもお稽古場のお茶室は山際なので少し冷え込み、この時だけでも待ち遠しい気分になるものです。三月に使う約束だという徒然棚(別名:業平棚)は淡々斎好みで菱形をしており、腰板にも業平菱でしょうか、菱形の透かしがあります。来週は少し早めの釣釜を出されるそうで今季のお炉は本日が最後、初炭をさせていただきました。
お稽古の後は、週末にある講習会付随のデモンストレーションおよびお呈茶に出すお菓子づくりの手伝いをしました。アメリカで手に入る材料にこだわる和菓子作り名人の指示のもと、お餅で味噌餡を包んだり、求肥を伸ばして丸い型で抜いたり、とても楽しく初経験させていただきました。生菓子を召し上がっていただこうと考えてもお店の選択肢がなく、必然的に手づくりになるのです。仕上げは当日に。